2010年6月18日金曜日

笹岡啓子最新写真集『EQUIVALENT』


小社より写真集『PARK CITY』(日本写真協会新人賞受賞)を刊行した笹岡啓子さんの新しい写真集が、RAT HOLE GALLERYより刊行されました。

近日中に一部書店店頭に並ぶそうですが、現時点では、同ギャラリーと、photographers' galleryにて購入可能です(オリジナルプリント付き限定版は、RAT HOLE GALLERYのみでの販売の由)。

以下、プレスリリースより引用。

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笹岡啓子写真集『EQUIVALENT』

本書『EQUIVALENT』は、笹岡が写真家としての活動の最初期から継続して撮影している「風景」のシリーズによって構成されています。このシリーズは、2001 年の自身初となる個展で《習作》として発表されて以来、《限界》、《観光》、《水域》とタイトルを微妙に変化させながら、自然と文化の境域をめぐって試行錯誤が続けられてきました。撮影地は、辺戸岬、屋久島、久万高原、下北半島、納沙布岬など現在も辺境・秘境と呼ばれているような場所がほとんどです。「釣り人の後を追えば、必ずどこかの磯に出られるものだ」と語るように、笹岡は日本各地の海岸線や稜線を丹念に歩き辿りながら撮影してきました。この体力勝負のような撮影行為は、けっして秘境というユートピアを探す旅ではありません。すでに写真イメージによって増幅された世界に生きる私たちにとって、誰も見たことがない場所やはじめて見るような場所が、どこにもないことは作者も十分に知っています。作者がこのシリーズに賭けたものは、「PARK CITY」がそうであったように、なによりもまず写真に撮ってそれを見ることが「新しい体験」になるという、忍耐を要する確信にほかなりません。無数の写真イメージの集積がすでに私たちの世界観を成しているのだとすれば、この『EQUIVALENT』は、笹岡啓子の写真によって生み出された新しい「秘境」なのです。

「晴れ上がってしまうとすべてがフラットで、嵐や吹雪になれば何も見えない。当たり前のことだが、私の撮影はいつも天候に左右されてきた。それでも、そこにたったひとりの釣り人が現れれば、世界は変わった。」(笹岡啓子)

笹岡啓子写真集『EQUIVALENT』
W173×H146mm上製42頁
カラー19点掲載
定価:2400円(税込)
限定:600部
発行:RAT HOLE GALLERY
2010年6月16日発売

*スペシャルエディション(オリジナルプリント付)
タイプCプリント、キャビネ大(130x144mm)
2種各20部7000円(税込)

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笹岡啓子展「EQUIVALENT」

会期:2010年6月16日(水)〜26日(土)※日、月、火曜は休み
時間:13:00〜19:00
会場:ラットホールギャラリー・ビューイングルーム
東京都渋谷区富ヶ谷2-19-7-2F
※1Fガレージ左手の階段よりお上がりください。

*山手通り「東大裏」交差点より東北沢方面へ80メートル
*京王井の頭線「駒場東大前」駅西口より徒歩7分(東大「坂下門」よりキャンパス内を通り「北門」を出て右折)
*小田急線「代々木八幡」駅、東京メトロ千代田線「代々木公園」駅より徒歩10分

2010年6月17日木曜日

【6月25日発売】ジュネ『シャティーラの四時間』

最新刊のご紹介です。

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シャティーラの四時間

ジャン・ジュネ=著
鵜飼哲・梅木達郎=訳

死を狩り出し、
死を追いつめ、

死と子供のように戯れる、ジャン・ジュネ

パレスチナ難民キャンプ虐殺の現場で、ジュネは何を見たか

1982年9月、西ベイルートの難民キャンプで起きた凄惨なパレスチナ人虐殺。本書は、最初のヨーロッパ人として現場へ足を踏みいれたジャン・ジュネによる事件告発のルポルタージュであると同時に、パレスチナの戦士たちとの交わりを通して幻視された美と愛と死が屹立する豊饒な文学作品でもある。事件をめぐって証言するジュネへのインタヴュー、鵜飼哲の論考、68年パレスチナ国民憲章全訳、ほか資料併録。

2010年6月25日発売

四六判上製224頁
装幀:間村俊一
写真:港千尋
定価:本体2000円+税
ISBN978-4-900997-29-5

[目次]
*シャティーラの四時間(ジャン・ジュネ|鵜飼哲訳)
*ジャン・ジュネとの対話(ジャン・ジュネ+リュディガー・ヴィッシェンバルト+ライラ・シャヒード・バラーダ|梅木達郎訳)
*〈ユートピア〉としてのパレスチナ——ジャン・ジュネとアラブ世界の革命(鵜飼哲)
*生きているテクスト——表現・論争・出来事(鵜飼哲)
*[資料]パレスチナ国民憲章(早尾貴紀訳)/地図/パレスチナ関連年表

[本書より、「シャティーラの四時間」冒頭を引用]
誰も、何も、いかなる物語のテクニックも、フェダイーンがヨルダンのジャラシュとアジュルーン山中で過ごした六カ月が、わけても最初の数週間がどのようなものだったか語ることはないだろう。数々の出来事を報告書にまとめること、年表を作成しPLOの成功と誤りを数え上げること、そういうことならした人々がある。季節の空気、空の、土の、樹々の色、それも語れぬわけではないだろう。だが、あの軽やかな酩酊、埃の上をゆく足取り、眼の輝き、フェダイーンどうしの間ばかりでなく彼らと上官の間にさえ存在した関係の透明さを、感じさせることなど決してできはしないだろう。すべてが、皆が、樹々の下でうち震え、笑いさざめき、皆にとってこんなにも新しい生に驚嘆し、そしてこの震えのなかに、奇妙にもじっと動かぬ何ものかが、様子を窺いつつ、保留され、庇護されていた、何も言わずに祈り続ける人のように。(7—8頁)

2010年6月4日金曜日

近況報告

小社とはなんの関係もないきわめて恣意的な「RIP」ばかりを続けているわけにもいきませんので、小社と関係のある情報を。箇条書きで。

『シャティーラの四時間』、目下校了直前です。6月下旬発売。詳細は来週中にお知らせできると思います。で、国会図書館に行って、ジュネ日本語訳書誌なぞ作っております(資料用。本には入れません。たぶん当欄で公開)。むかしの『中央公論』にジュネ「パレスチナ人たち」が掲載されていたことなど、ご存知?

『ゴダール的方法』、目下原稿最終調整中。ずっと「仮題」のままにしてありますが、おそらくこのタイトルで出すことになりそうです。初夏、とお知らせしておりましたが、盛夏になるかも。ちなみに、フランスで公開中のゴダール最新作FIlm Socialisme(私が勝手に決めてる邦題では『ゴダールの社会主義』)にかんして、日本での配給元はオープンセサミという情報がウェブで流通しているようです(IMDBにもそう載っています)が、これは間違い。別の会社です(確認済み)。小社ではありません。日本公開は今秋以降、あるいは来年に持ち越しでしょうか。

『オーロビンド伝』の刊行もたいへん遅れておりますが、今夏中の見込みです。いましばらくお待ちください。

*JKとの共著の翻訳が刊行されたばかりの「WB」をめぐる評論(ほぼ書き下ろし)、という企画も進行中で、場合によっては上掲2点よりも先に刊行するかもしれません。タイトルが仮題すらも未定なので、まだ告知できないのですが……。

『小島一郎写真集成』、版元在庫が無くなりました。重版未定。書店さんからの返品が今後もいくらかあるだろうと思いますので、出来るかぎりそれで対応する所存です。Amazonでは品切れになってしまっておりますが、書店店頭での流通在庫はまだだいぶあるはずです。ジュンク堂でしたら、こちらをご確認ください。紀伊國屋書店は全店舗一括検索ができなくなっちゃったんですよね……(こちらご参照)。青森県立美術館ミュージアムショップはまだ在庫あり。東京では一般書店以外ですと、ナディッフバイテン(東京都写真美術館ミュージアムショップ)、photographers' gallery蒼穹舎でも販売しております。お早めにお求めいただければ幸甚。

*この程度の案内ならツィッターでやれよ、とお思いかもしれません。そうですね。しかるべきタイミングで導入することを考えております。たぶん。

2010年6月2日水曜日